登録の適格性について
各研究の組み入れ適格性を記載しています。
【アーテスネート研究】
<選択基準>
1.以下のいずれかの方法により、マラリアであることが確定した患者で性別及び国籍並びに人種は問わない。
原則として上記患者すべてを対象とする。マラリアの診断は血液塗抹標本の鏡検あるいはXN-31を用いたフローサイトメトリー法によるマラリア原虫の同定による。
臨床現場のリソースに応じ、緊急性が高い場合には、BinaxNOW malaria等の迅速診断キット(研究用試薬)を用いた抗原検出による診断を行ってもよい。ただし、後日必ず血液塗抹標本の鏡検を追加して確定診断を得ること。
<迅速キットと塗抹標本の結果が乖離した場合の対応>
迅速キットと塗抹標本の結果が乖離することは少ないが、イムノクロマト法の検査でもあり、偽陽性が生じる可能性もあり得る。ただし、逆に血液塗抹検査についても技師の技量により偽陰性と判定される可能性もある。そのため、結果が乖離した場合にはまずは研究代表医師に相談とし、偽陽性であると判断した場合には本患者については研究中止とする。
2.(1)(2)(3)のいずれかに該当する者
(1)下記の一つ以上を満たし、重症マラリアの基準に合致する
意識障害,昏睡
痙攣
ショック(algid malaria)(収縮期血圧 < 90 mmHg)
ヘモグロビン尿
出血傾向
肺水腫(胸部X線所見による)
低血糖(< 40 mg/dL)
代謝性アシドーシス(HCO3- < 15 mEq/L)
高乳酸血症(> 5 mEq/L)
重症貧血(Hb < 8 g/dL)
高原虫寄生率(> 2%≑100,000/μL)
腎障害(血清クレアチニン > 3.0 mg/dL)
(2) 非重症マラリア患者のうち、経口抗マラリア薬(塩酸キニーネ「ホエイ」、アトバコン・プログアニル配合錠、メフロキン、アルテメテル・ルメファントリン配合錠)を内服できない患者
(3) 経口抗マラリア薬(塩酸キニーネ「ホエイ」、アトバコン・プログアニル配合錠、メフロキン、アルテメテル・ルメファントリン配合錠)の禁忌に該当する患者
<除外基準>
1.本剤の成分または類似化合物に対して過敏症の既往等の使用禁忌事項のある対象者
2.静脈注射用アーテスネート製剤の投与を拒否した対象者
3.その他,研究責任医師が研究対象者として不適当と判断した対象者
【シャーガス研究】
<選択基準>
1.以下のいずれかの方法により、シャーガス病であることが確定した患者で性別及び国籍並びに人種は問わない。
(1) 血液塗抹標本(薄層または厚層)または組織検体の光学顕微鏡検査で原虫を検出した。
(2) 血液もしくはその他組織を用いたPCR等の核酸検出検査の結果が陽性であった。
(3) 酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)あるいはイムノクロマト法でスクリーニングを行い,放射性免疫沈降法(radioimmunoprecipitation assay:RIPA)またはその他の抗体検査の結果が陽性であった。
2.同意取得時の体重が2.5kg以上
3.本研究への参加について、患者本人の年齢等に応じ、表1のいずれかの方法によって患者本人または代諾者より文書による同意が得られた患者
<除外基準>
1.当該薬剤に対して過敏症がある患者
2.妊娠している、授乳中、または妊娠の可能性がある患者、研究期間中断乳にご同意いただけない方
3.同意取得時点で、アルコール依存症と診断を受け治療を受けている患者
4.内服期間及び内服終了3日後まで禁酒に同意いただけない患者
5.重度の肝不全の状態にある患者
6.重度の腎不全(恒常的に血清クレアチニンが3mg/dL以上、又は透析)がある患者
7.内服期間中、内服開始2週以内のジスルフィラムの内服がある患者
8. 拡張型心筋症が確定している慢性心筋症(NYHA分類Ⅲ以上)
9. 消化器の重度損傷(重度巨大結腸、重度巨大食道)
10. ベンズニダゾール投与期間中および投与終了後5日間、避妊に同意できない患者
11. ニフルチモックスの投与が必要となった場合、男性は投与期間中および投与終了後3か月間、女性は投与期間中および投与終了後6か月間の避妊に同意できない患者。なお、ニフルチモックスの避妊期間に同意できない場合は、ニフルチモックスを投与せず、研究中止とみなす。
12.研究責任医師または研究分担医師が、本研究に参加することが適切ではないと判断する患者
【眼トキソプラズマ研究】
<選択基準>
① 活動性眼トキソプラズマ症患者(陳旧例は除く)。
<確定例>下記のいずれかを満たす
・眼科的に活動性の炎症があり眼房水あるいは硝子体液トキソプラズマ遺伝子陽性 7)
・眼科的に活動性の炎症があり眼房水トキソプラズマ IgG が血清 IgG より高値(総 IgG 中
の抗トキソプラズマ IgG の割合の房水/血清比 Goldmann-Witmer coefficient > 2)
<疑い例>下記の 2 つを満たす
・眼科的に活動性トキソプラズマ症の典型的眼底所見(眼底後極部の孤発性白色滲出病
巣)がある
・眼科的に活動性の炎症があり血清トキソプラズマ IgG 陽性
② 本研究への参加にあたり十分な説明を受けた後、十分な理解の上、患者本人の自由意思に
よる文書同意が得られた患者
③ 上記②に準ずる形で代諾者による文書同意が得られた患者
<除外基準>
① HIV 陽性の患者
② 本剤の成分または類似化合物に対して過敏症の既往のある患者
③ 葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血の患者
④ 患者本人または代諾者のどちらからも文書同意が得られなかった患者
⑤ その他,研究責任医師が研究対象者として不適当と判断した患者
【先天性トキソプラズマ研究】
<選択基準>
① 対象は確定例および疑い例の先天性トキソプラズマ症患児とする。
<確定例>下記のいずれかを満たす
・臍帯組織、胎盤からの原虫の証明(分離・培養)、トキソプラズマ遺伝子陽性
・胎盤病理での病原体証明
・患者血清あるいは髄液のトキソプラズマ遺伝子陽性 7)
・臍帯血または生後 6 か月以内のトキソプラズマ IgM 陽性
・トキソプラズマ IgG が生後 1 年以内に上昇
・トキソプラズマ IgG が生後 12 か月を超えて陽性
<疑い例>下記の全てを満たす
・脳内石灰化、典型的眼底所見、水頭症などを伴う
・トキソプラズマ IgG 陽性
・他の先天性感染が完全に否定されている
② 患児の保護者が本研究への参加にあたり十分な説明を受けた後、同人が十分に理解し自由
意思による文書同意を与えた患者
③ 上記②に準ずる形で保護者以外の代諾者による文書同意が得られた患者
<除外基準>
① HIV 陽性の患児
② 本剤の成分または類似化合物に対して過敏症の既往のある患児
③ 葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血の患児
④ 保護者または代諾者のどちらからも文書同意が得られなかった患児
⑤ その他,研究責任医師が研究対象者として不適当と判断した患児
【胎児トキソ】
<選択基準>
① 対象はトキソプラズマ感染確定妊婦(同意の取得時に 16 歳以上、胎児感染)とする。妊娠
18 週以降を原則とし、胎児に異常がある場合は 16 週から。
<確定例>
・羊水トキソプラズマ遺伝子陽性(PCR 等)
② 本研究への参加にあたり十分な説明を受けた後、十分な理解の上、本人の自由意思による
文書同意が得られた妊婦
③ 上記②に準ずる形で代諾者による文書同意が得られた患者
<除外基準>
① HIV 陽性の患者
② 本剤の成分または類似化合物に対して過敏症の既往のある患者
③ 葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血の患者
④ 患者本人または代諾者のどちらからも文書同意が得られなかった患者
⑤ その他,研究責任医師が研究対象者として不適当と判断した患者
【脳炎・播種性トキソプラズマ研究】
<選択基準>
① 下記のトキソプラズマ症患者を対象とする。
<確定例>
・感染臓器における PCR 検査(血液・髄液など)陽性 7)
<疑い例>下記のうち 2 つ以上を満たす
・典型的な画像診断:頭部 MRI または CT(非造影ならば MRI 推奨):典型的には多発
する壊死性病変
・血清抗トキソプラズマ IgG 陽性(※骨髄移植直後の好中球減少状態、低/無グロブリ
ン症など抗体上昇がみられない可能性が高い場合などでは IgG 陰性であっても疑い
例として扱う)
・その他の疾患(細菌性脳膿瘍、ノカルジア症、転移性脳腫瘍、悪性リンパ腫など)が
除外されている
② 同意書の取得時に 16 歳以上である
③ 本研究への参加にあたり十分な説明を受けた後、十分な理解の上、患者本人の自由意思
による文書同意が得られた患者
④ 上記②に準ずる形で代諾者による文書同意が得られた患者
<除外基準>
① HIV 陽性の患者
② 本剤の成分または類似化合物に対して過敏症の既往のある患者
③ 葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血の患者
④ 患者本人または代諾者のどちらからも文書同意が得られなかった患者
⑤ その他,研究責任医師が研究対象者として不適当と判断した患者
【肝蛭症研究】
<選択基準>
① 下記の肝蛭症患者を対象とする。
<確定患者>
・便や胆汁、十二指腸液などから肝蛭虫卵または虫体が検出された患者
<疑い患者> 下記のうちふたつ以上を満たす患者
・CT、MRI、超音波検査、ERCP などの検査で肝臓内または胆管内に腫瘤ないし膿瘍
をみとめる
・抗肝蛭 IgG 抗体が陽性である
・末梢血好酸球増多がある(500/µL 以上)
② 本研究への参加にあたり十分な説明を受けた後、十分な理解の上、患者本人の自由意思に
よる文書同意が得られた患者
③ 上記②に準ずる形で代諾者による文書同意が得られた患者
<除外基準>
① 本剤の成分または類似化合物に対して過敏症の既往がある患者
② 妊娠している、あるいは妊娠の可能性のある患者
③ 本人(代諾者がいる場合は、代諾者)から文書同意が得られなかった患者
④ その他、研究責任医師が研究対象者として不適当と判断した患者